構法紹介

伝統構法について
その1
その2
その3

伝統構法の特徴

伝統構法の構造

実験レポート
(制作中)





[その2]建築基準法の問題点

 柱と柱の間に斜めの筋違を使うのが在来工法です。

 対抗するのは筋違の入った壁だけ、想定外の大きな地震では被害が多かった。

 筋交は取り付け部に力が集中するので、補強の役目も兼ねた金物が必要。

 釘だけで取り付けた筋交いは震度5程度で外れてしまい役に立たない。

 補強の金物は隠すことが多く、シロアリ被害や腐朽・劣化を発見しにくい原因になる。
Q  どうしてそんな基準を決めたんでしょう。
A  戦後の復興のため大量に安く建てるための基準をつくりました。

 戦争で優秀な大工・職人も減少したため簡単工法を役人は主導していました。

 住宅金融公庫の工事基準でも同様の基準となり融資の条件ともなりました。
Q  実情はどうあれ伝統構法は建築基準法違反のような扱いです。
A  最低限の安全性を決めるはず建築基準法が伝統構法を基準外としてしまい、

 優秀な技術を持っている大工に、低い技術を強制する結果になっていました。
Q  ちょっとおかしいような気がしますけど…。
A  戦後復興して受け継いできた高度な技術建てようにも建築できない状況でした。

 伝統構法による建築は個別に安全性を立証し特別な申請をしなければならない。

 建築できないので和風建築も筋交を使うのが日本伝統と思われている。
Q  筋違は西欧のものなのにまるで伝統的な構法を継承したかのような感じ。
A  筋交を使い「在来工法」という言い方が一般の人に伝統という誤解を与えた。

 本来の伝統構法が一般には知られずただ消えていく技術になりかけている。
Q  地震では大きな被害がでています。
A  阪神・淡路大震災の被害が大きく報道されましたし、ほかの地震でも木造住宅の被害は大きく報道されています。

 金物が少ない時代の在来工法は簡単に筋交いが外れて壊れています。筋交いが外れると一気に倒壊する。

 地震で被害があるたびに基準が変わる、金物が増える、在来工法は欠陥を直しながら、やっと震度6程度で大丈夫な工法になりました。
Q  地震で古い建物が壊れると報道されます。
A  明治以降は在来工法に変わっている。戦後はほとんど在来工法の建物です。建てて50年も建てば古い建物ですが、田舎の農家作り以外は在来工法でしょう。

 鳥取西部地震や中越地震では伝統工法の農家の被害では亡くなられた方が少ない。工法の違い関係なく古い建物は弱いと報道される現状があります。
H26.3.23改定

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